黄斑疾患|あしだ眼科クリニック|南ウッディタウン駅徒歩2分にある眼科

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黄斑疾患

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黄斑疾患

黄斑疾患とは

黄斑とは網膜の中心で、光や色を識別する多くの細胞があり、網膜の中でも視機能が最も鋭敏なところです。

加齢黄斑変性

黄斑部が変性をおこして視機能が低下する病気です。網膜はカメラで言えばフイルムにあたりますが、その中央である黄斑部は網膜の中でも視機能が特に鋭敏で、物を見るための要となっている部分です。ここに障害が起こると、視力の低下や視野の中心部が暗く見えにくくなってしまう中心暗点といった症状が現れます。

加齢黄斑変性には以下の2つのタイプに分けられます。

・萎縮型加齢黄斑変性

「ドライタイプ」とも呼ばれます。

網膜の細胞が加齢により老廃物を取り除く機能が低下し、老廃物が蓄積して栄養不足に陥り、徐々に萎縮していく病気です。症状はゆっくりと進行するため、初期の方の中には気づかない人もいます。

「萎縮型」は急激に視力が低下することはありませんが、「滲出型」に移行して急激に視力が低下することがあるので、定期的な検診が必要です。

・滲出型加齢黄斑変性

「ウェットタイプ」とも呼ばれます。

網膜のすぐ下に新生血管が発生し、その血管が黄斑にダメージを与えます。

新生血管は正常の網膜にはない血管で、脆く、出血を起こしやすいという特徴を持っています。新生血管から出血したり、血液中の液性成分が漏れることにより網膜の視細胞が障害されます。出血した場合は急激に視力が低下することもあります。

*加齢黄斑変性の治療

・内科的治療

止血薬、血液循環薬の内服、網膜に栄養を与えるルティン、ビタミンや亜鉛などのサプリメントを用いた治療を行います。ただし、飲み薬の治療のみで完治するのは困難です。

・硝子体内注射

滲出型加齢黄斑変性症の治療として第一選択とされている治療法です。新生血管の原因物質となるVEGF(血管内皮増殖因子)に対し抗VEGF薬を眼内に注入することで、新生血管の成長を抑制し、症状を改善します。

・テノン嚢下注射

ステロイド剤を眼球外側にある結膜下(テノン嚢ともいいます、いわば目の裏側です。)に注射します。ステロイド剤は新生血管の成長を抑制する効果があります。ただし、ステロイド剤の影響で眼圧が上昇することがあるため、治療後は眼圧検査などが必須になりますし、緑内障を合併する方には適用しにくい治療法です。

・レーザー光凝固

新生血管をレーザーで破壊する治療法ですが、網膜にレーザーによるダメージを与える可能性があるため、新生血管が黄斑の中心部に近い場合は行われません。レーザー光凝固には、新生血管全体凝固と栄養血管凝固があります。

・その他

硝子体内注射やレーザーでの治療が奏功しにくい場合は、光線力学療法(PDT)や硝子体手術が必要になる場合もあります。

黄斑浮腫

黄斑浮腫は黄斑部が腫れて液状の成分が貯まる病気です。
原因となる疾患はたくさんありますが、糖尿病、網膜静脈閉塞症、ぶどう膜炎などが有名です。これらの疾患により損傷を受けた血管から血液成分が漏れ出し、黄斑部に液状成分がたまり、浮腫が生じる病気です。物がぼやけて見える、歪んで見える、物が暗く見えるといった症状が挙げられます。

*黄斑浮腫の治療は加齢黄斑変性の治療と類似しています。

・硝子体内注射

黄斑浮腫の原因物質となるVEGF(血管内皮増殖因子)に対し、抗VEGF薬を硝子体内に注入することで、黄斑浮腫を抑制し、視機能改善をねらいます。

・テノン嚢下注射

ステロイド剤をテノン嚢下に注射します。ステロイド剤は黄斑浮腫を抑制する効果があります。ただし、やはりステロイドの副作用である眼圧上昇に気をつけて施行します。

・レーザー光凝固

血液の成分が漏出している部分をレーザーで固める治療です。特に限局性の黄斑浮腫に使われる治療です。

・硝子体手術

黄斑部に牽引がかかっている場合は施行されることがあります。

黄斑上膜

黄斑部にセロファン状の透明な膜が形成される病気です。様々な原因で起こるのですが、多くは加齢によるものです。加齢と共に硝子体は網膜から剥がれます。後部硝子体剥離という加齢現象です。この時に硝子体が網膜上に残存してしまうことによって黄斑上膜が形成されると言われています。この黄斑上膜は時間とともに縮んで網膜を変形させてしまいます。また、黄斑上膜は他の目の病気が原因で二次的に発生する場合もあります。物が歪んで見えたり、実際より大きく見えるといった症状が挙げられます。

*黄斑上膜の治療

黄斑上膜は眼底にできる病気のため、治療効果の見込める点眼はありません。

視力に悪影響のない場合は経過観察となることもありますが、根本的に治すには手術をして黄斑上膜を取り除く以外方法はありません。黄斑上膜により視力低下・ゆがみなど患者様の自覚症状が強くなった際に、症状改善のため手術をします。

黄斑円孔

黄斑円孔とは、網膜の中心部で物を見る際に重要な部分である黄斑部に穴が生じる病気です。
加齢とともに硝子体が網膜から剥がれる後部硝子体剥離という加齢現象があります。加齢によって硝子体が縮むときに後部硝子体剥離が起こるのですが、この時に網膜が引っ張られ、黄斑部に穴が生じるとされています。また外傷によって起こる場合もあります。
物が歪んで見えたり、中心が見にくくなる症状が出ます。

*黄斑円孔の治療

手術になります。黄斑円孔が閉じると症状は改善しますが、ある程度の歪みは残ります。